3年振りに鈴鹿8耐が開催された。Team ATJとT.PROがコラボレーションし、Team ATJ with 日本郵便としてエントリー。Team ATJで全日本JSB1000クラスを戦っている岩田悟選手を中心に、小山と高橋裕紀選手が合流。

6月のテストから順調にマシンを仕上げてきていた。しかし、レースウイークの前週に岩田選手のコロナ陽性が発覚。急きょ離脱することになってしまい、T.PRO日本郵便ファミリーの伊藤和輝選手が代役を務めることになる。

　今年の鈴鹿8耐は、火曜、水曜にテストセッションがあり、走る機会があったことは不幸中の幸いだった。岩田選手中心の体制から高橋選手ベースにシフト。サスセットと燃調からやり直さなければならなかった。さらにテレメトリー担当も濃厚接触者となってしまい、全日本で高橋を担当してくれており、今回はサブで入る予定だったモリワキの小畑氏がメインで入ることになる。

　予選のタイム出しは、岩田選手と高橋選手が行う予定だったが、小山に変更。高橋選手のアベレージのタイムアップと、相変わらず燃費のいい走りを見せる小山は、長く周回する方向でセットを進めていた。小山自身の調子もよく、予選では2分07秒台を目指していたのだが…。

　金曜日の公式予選は、雨が降る予報も出ていた。高橋選手、伊藤選手と順調にタイムを刻んでいき、ライダーレッドの小山のセッションを迎える。コースインすると雨が降ってきてしまい多くのライダーがピットに戻ってしまう。この中に小山も含まれていたが、最初のアタックでトップタイムをマークしたライダーは2分10秒台をマーク。2回目のセッションで雨が降ってくれば万事休すという状況だった。その予想通り雨が再び降り始めてしまう。小山は、リスクを覚悟してアタックを敢行。無事に基準タイムをクリアしていた。ライダーレッドのセッションでは、多くのライダーが基準タイムをクリアできていなかったが、救済措置が取られていた。予選総合順位は、高橋選手と伊藤選手のタイムで18番手となっていた。

　土曜日のフリー走行で燃費を計測する予定だったが、赤旗が多く出てしまい、まともに走れず終いとなってしまう。このため決勝の1スティント目でピット作業で時間はかかってしまうが、SDカードを抜いて燃費を確認することにした。この作業が功を奏し、7回ピットでいけることを確信。さらに小山の燃費のいい走りは、29周をこなしレース終盤に追い上げに貢献。最後に8番手に浮上し、チームベストとなる8位でチェッカーフラッグを受けたのだった。